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ドリップかん水の父、シムハ・ブラス

サンホープで取扱うかん水資材の多くは、

イスラエルのメーカーのものです。

 

??イスラエル???具体的なイメージがわかない方、

أنفك جميل مثل جمل アラビア語が思い浮かぶ方、

(実際によく使われるのはאנחנו סאנהופ מיפן ←ヘブライ語)

多くの方は、砂漠、宗教の聖地、ハイテク産業、

有名ベンチャー企業の拠点、などを思い浮かべるでしょうか。

水や肥沃な土地とは縁遠いイスラエルで、なぜ

農業用かん水資材なのか・・・不思議ではありませんか?

 

その不思議を少しだけ解明しつつ、

サンホープの人気商品の一つ

ドリップチューブがどのようにして

発明されたかをご紹介します。

 

イスラエルはこんな場所にあります。

西には地中海が広がり、ヨーロッパの人たちにとっての

リゾート地として知られています。

しかし、南のほうにはイメージ通りの砂漠が広がっています。

砂漠は国土の60%以上を占めます。

イスラエルに住んでいる人たちの多くは、ユダヤ人です。

 

ユダヤ人は約2000年前に今のイスラエルの土地に

住んでいたのですが、時のローマ帝国によって

その土地から追放されます。

そして、約2000年間自分たちの国を持つことなく、

ユダヤ教を信仰しながら、いろいろな国を放浪しました。

 

その放浪の中で、宗教、人種、政治的理由から

ユダヤ人を差別し迫害する「反ユダヤ主義」が

現れてきます。

その最たるものが第二次世界大戦中の

ドイツで行われたホロコーストでした。

この「反ユダヤ主義」から逃れるために

ユダヤ人が避難した場所が

約2000年前のイスラエルの地でした。

 

その土地でユダヤ人たちは生きるために、

まず食べ物を確保しなければなりません。

が、このイスラエル、先述の通り、国土の60%以上が

水に乏しい砂漠です。

どうにかして作物を育てて、国民を養わなければ!

と当時のユダヤ人たちは考えました。

 

シムハ・ブラスさんも、その中の一人でした。

彼は水技師で、イスラエルで一番大きな

水道工事プロジェクトを計画し、実行した人です。

そんなブラスさんがある村を訪問していた時、フェンス沿いに

植え付けられている木々の列が目に留まりました。

その中でも、他の木に比べて一本だけが突出して

背が高い木がありました。

不思議に思ったブラスさんは、その木の周りを調べました。

すると、根元のほうに金属製の灌漑用パイプがあり、

そこから水がその木の周りだけに漏れていたのでした。

ポタ、ポタ、ポタ。。

 

その時のことをブラスさんは忘れず、

晩年、ドリップかん水(点滴灌漑)の研究を開始します。

ドリップかん水は、水を1滴づつ、点滴のようにゆっくりと

土に施すことによって、ごく少量の水で作物に

必要な水分を与えることができる

かん水方法です。

通常スプリンクラーかん水より、90%以上効率よく

水利用ができる優れもの。

ですが。。。幾度となく実験は失敗。

ビジネスパートナーに恵まれない時期が続きましたが、

試行錯誤の末、ドリップかん水の研究成果が

認められ、ブラスさんが発明したドリップチューブは

国中に広がっていきました。

 

今日ではイスラエルのかん水の約75%が

ドリップかん水で行われ、食料自給率90%を

超える農業大国となりました。

 

砂漠の中で、国民を養うために発明されたドリップかん水。

そんな情熱のこもった製品をサンホープは

日本の皆さんにお届けします。

 

引用文献

セス・シーゲル. (2016). 水危機を乗り越える!砂漠の国イスラエルの驚異のソリューション. 草思社.

https://igin.com/article-218-drip_irrigationa_water_conserving_solution.html#:~:text=Drip%20irrigation%20is%20generally%20considered,soil%20in%2Dbetween%20your%20plants.

https://www.ushmm.org/antisemitism/what-is-antisemitism/why-the-jews-history-of-antisemitism

https://www.elal.com/magazine/en/portfolio-items/travel/ideas-info/solitary-farms/

https://diamond.jp/articles/-/93582

ICID (2019): Annual report 2018-19. International Commission on Irrigation and Drainage. pp.89-96.

sunhope mailemagazine vol.20