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作物のストレスはセンサーで解消!?

世界各国のハイテク農業に関する最新情報を紹介する

『New AG International』

メールマガジン Jun/Jul 2022の特集は

『Sensing the soil, and more』

世界中の農家が土壌や作物の状態についてより多く

のデータを得ることができるようになれば、収穫を最大化

できる、というテーマに沿って最新のセンサー類が

紹介されていました。

 

収穫の最大化をセンサーで支援

 

拡大する土壌プローブの機能

水分、塩分、養分レベル、温度を計測できる

土壌プローブセンサーは、土壌の状態を把握するのに

有効です。

カナダのケベック州に本社を置くChrysaLabs社のように、

水分と栄養素をほぼリアルタイムで測定できるものも

研究開発されています。

土壌プローブセンサーは高価で、土壌の性質に

よって体積含水率の測定に差異が出てしまう

という課題があります。さらに、地域で異なる

通信環境への対応など、センサーのデータをどう

取得すべきかも研究されています。

 

米国ミネソタ大学の灌漑専門家 Vasudha Sharma博士の

土壌プローブを使う農家へ向けてのコメント。

「予算が少ない場合は、2~3シーズン、低コストのセンサーを

数個畑に設置し、土壌や作物に応じた適切な深さを、普及指導員や

農学者の推奨に従ってください」。

「土壌がどの程度早く乾くのか、よく知ることです。

湿度や温度も毎日記録して、基本的なモデルを作りましょう。

しかし、もしお金があるなら、水分や栄養分、温度を測定できる

評判の良い電磁センサーに投資し、データロガーを導入してください。

情報は多ければ多いほどいいのです」。

 

作物のストレスをセンサーで検知

イスラエルのサプラント社はAIを活用した

センシング、データ解析、独自のアルゴリズムによる

灌漑の策定など複合的な栽培管理システムを開発、

販売している企業です。

サプラント社のチーフアグロノミスト Nitzan Shatzkin 氏。

「私たちは長年の経験と何千ものセンサーから、健全な

生育を検知する方法とストレスを認識する方法を熟知しています。

栽培管理過程における、いくつかの小さなミスが

そのシーズンの収穫量や品質を左右することがあることを学び、

それを避けるために農家を支援しています。

例えば、果実の直径を測定するセンサー。

果実の成長を日々測定することは、果実の大きさや品質の目標を

確実に達成するために非常に重要です」

写真:マカダミアナッツに取り付けられたサプラント社のフルーツセンサー

さらに、サプラント社では、水ストレスを知ることができる

葉温センサーを採用しています。

「スイスのVivent社は、病気や害虫などの目に見える症状が

現れるずっと前に、植物内部のネットワークからストレス信号を

検出するPhytlsignsセンサーを提供しています。

また、害虫センサーも登場しています。カナダ・オンタリオ州

ウィンザー大学のアレズー・エマディ博士は、さまざまな害虫や

植物のストレス要因が人間の目に見えるようになるずっと前に、

その存在を示す空気中の揮発性化学物質を検出する

低コストで使い捨てのマイクロセンサーを開発しました。

現在、オンタリオ州温室野菜生産者協会が主導する

プロジェクトで試験運用されています」

 

植物装着型デバイスで農作物の水ストレスをモニタリング

 

代謝や乾燥ストレスの重要な指標となる葉の水分量など、植物の

健康状態をモニターする植物の葉に装着可能なセンサーも

開発されています。

ACS Applied Materials and Interfaces誌によると、

ブラジル国立ナノテクノロジー研究所のRenato Limaたちは、

植物の水ストレスを長期的にモニタリングするための

信頼性が高く、かつ固定できる電極の設計に着手。

ニッケルを材料とした電極を粘着テープを

大豆の葉に貼り付けたところ、葉が乾燥するにつれて大きな

信号が得られることがわかりました。

これは、金属膜の薄いジグザグ模様のおかげで、テープが

葉の表面に多く接することができたためと考えられています。

次に、この金属電極を使った植物装着型デバイスを作成し、

植物に取り付けたところ、このデバイスは、スマートフォンの

アプリとウェブサイトに無線でデータを共有し、

植物が失った水分の割合に変換することに成功。

研究者達は、葉の水分量をモニターすることで、害虫や

有害物質の被害を間接的に知ることができる、としています。

植物装着型のデバイスは植物に水を与える

必要がある時期を判断し、収穫量を増やす可能性

もあるとして、さらなる研究が進められています。

 

 

記事全文はこちらから。

New AG International – English Magazine – JUNE JULY 2022 (V1) (turtl.co)

 

sunhope mailmagazine vol.37-2